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焦がれた恋情☩こころ☩に蜂蜜を【あくねこ長編】

第6章 相反☩そうはん☩感情


ピシッ、………ピシ、………ピシイイイィィ……!

小さな空き部屋に、アモンの手にした薔薇の鞭のしなる音が響き渡る。

半裸の背に鞭の棘が刺さり、その傷口から侵食していく、肌を染め上げる痺れ薬。



「主様、ごめんなさいっす……!」

頬を濡らす熱の正体は後悔の涙。

その雫を散らすように、手にした鞭を振るい続けていると。



「アモン、そこにいるの……?」

叩扉の音とともに捉えたのは、今まさに思い描いていたヴァリスの声。



(どうして、主様は………!?)

自分を案じる彼女の心の存在を悟り、胸のなかで温かく滲んだ感情。

それが「嬉しい」という感情なのだと瞬時に理解し、思わずシャツの胸元を握りしめる。



アモンが胸の内を支配する混沌を上塗ろうと試みるをよそに、

心配そうに「ねぇ、………アモン。そこにいるなら返事して」と呟きながら、ノブを回しかける。



「入って来ないでください!」

咄嗟に叫んでしまった自分自身に驚きつつ、さらに声を重ねる。



「大きな声を出してごめんなさいっす。でも今は、一人にして欲しいんすよ」

苦笑交じりに呟く声が震えてしまう。



そんな自分を滑稽だと嗤ってしまいそうになりながら、

ノブを回しかける音が止まったことに、ほっと張り詰めていた心を解いていると。
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