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焦がれた恋情☩こころ☩に蜂蜜を【あくねこ長編】

第6章 相反☩そうはん☩感情


「誰……?」

その声に身動ぎもせずに、より腕に力が込められる。



彼女が息苦しさを感じぬよう配慮しつつも、その腕の力が解けることはない。

寧ろより強く抱きしめられ、その温もりに白い頬に雫が伝う。



けれど今度は悲しい涙ではなく、安堵の涙だった。

ぽろぽろと溢れるままに雫を伝わせていると、その腕がヴァリスを優しく抱き直す。



その所作とともにふわりと薫ったのは、図書室の古書の香り?



「フェネス……なの?」

その名を紡いだ途端、びくりと長身が跳ねる。

我に返ったようでさっと抱きしめていた指が解かれていった。



「すっ……すみません主様。俺は一体、何を………。」

謝るその目元に朱が集っている。

慌ててヴァリスから離れようとするフェネスの袖口を掴んだ。
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