第7章 惑いの往く末 後編 *【🌹 、not 最終行為】
「駄目……?
オレの下で、こんなにも気持ちよさそうにしてるのに、説得力ないっすよ」
ヴァリスの姿を眼に灼きつけるように眺めながら、熟れた苺色に染まった乳首に触れる。
きゅううぅ、と軽く引っ張るように摘んで、もう片方の乳首に唇が寄せられた。
「んっ………ん、あぁぁんっっ」
自分の唇から溢れ落ちる艶音に
より甘美な色が混ざりはじめたことに気づく余裕もないまま、力の抜け落ちた身体を震わせる。
硬く張り詰めていた胸の頂を舌先で転がされて、疼痛に似た甘い感覚が広がっていった。
アモンの舌先を仄かに押し返す、乳首の弾力をたしかめるように、
舌先で弾いては、先端のくぼみを埋めるごとく這わされる。
腰骨の奥が甘く痺れて、乳首を舐められる度に背中がしなる。
ヴァリスの艶音が切なさを帯びたものと化すと、アモンはさらに胸に固執してきた。
彼の身体に押さえつけられびくびくと身を震わせるさまを楽しんでいるかのように、
アモンは同じ行為を何度も繰り返した。
「ひぅっ………も、離しっ……! っあ、駄目……!」
散々胸を弄っていた掌を、アモンは下肢のほうへと滑らせていく。
丸く膝を伝い、太腿を優しく撫でられて、下着越しに花弁へと指を這わされた。
しどとに蜜を滴らせる花弁の周囲を指が伝う度に、くち、………くち、と濡れた音がする。
布越しに花口へと触れて、慎ましく閉じた入口に仄かに指が沈み込む。
もっと、………もっとと更なる刺激を欲する心に蓋をしながらも、走り抜けていく感覚に全身が震えた。
「———濡れてますよ。いい加減素直になってくださいっす」
楽しげに声を震わせるアモンに、何度も頭を振りかがらその言葉を否定しようとする。
「や、………ちがっ、………違う……!」
自分はそんなに淫らな女ではない。
そう言いたいのに彼の与える快楽に馴染みはじめた身体は簡単に心を裏切って、
感情を切り離したままアモンに自分が感じている証をみせてしまう。