第4章 病魔【P128 ~ 🫖*】
「ん………。」
蒼い月灯りが降り注ぐ室内で、唇を触れあわせる。
ちゅ、……ちゅ………と小鳥が啄むような音を立てながら顔中に降らされるキスの雨に、彼の心が伝うようで。
キスに気を取られていると、
彼女の顔の横に突いていた右手が寝台から離され、ヴァリスのドレスの釦に触れた。
「っ………。」
僅かにその身を強張らせた彼女を安心させるように頬に触れるだけのキスをしながら、
ベリアンの指がゆっくりとした所作で釦を外していく。
ドレスの釦を外していく指は僅かに震えていて、彼の心を悟る。
(あなたも……緊張しているの………?)
淡く咲きそめた花弁を、そっとかき分けるごとくドレスの合わせがひらかれる。
コルセットは付けていなかったから、ドレスを脱がされると、
薄いリンネルのシュミーズ越しに、年相応に豊かに山を描くふたつのふくらみが見えてしまう。
恥ずかしさを持て余し覆い隠すと、大きな手が重なった。
「貴女をみせてください」
包むでも外させるでもなく、ただ重ねあわせた掌。
温かな手が指を囚え、きゅっ……と繋ぎ合わせるように絡まる。
そっと包み込まれていく大きな掌の温もりに、おずおずと握り返した。
「だ……って、恥ずかし、………ひぅっっ」
顔を背けた耳朶に熱い吐息が触れる。
ぬるりとした感触を耳孔に感じたかと思えば、濡れた音を立てながら舌を挿し込まれた。
くちゅり、くちゅ、………くちゅ。
耳孔に舌先が侵入すると、耳から直に伝うその音を、より厭らしく掬い上げてしまう。
耳にかかる甘い吐息を感じながら、シーツの上に縫い止められた指に僅かに力が込もる。