第5章 病魔 後編 *【🫖】
「べりあん、……も、ひろげなっ………ひぁっ」
花芽の根元を捏ねながら、彼の唇が重なった。
「ん……んぅ………!」
唇を奪われているせいで、耐えきれなかった艶音が零れ落ちる。
くぐもったその声を呑み込むように、彼の舌が絡まった。
ぬるりとした舌が、彼女の舌を囚えて吸い上げる。
先刻から溜まっていた熱が、風船のように弾けてしまいそうだった。
「や、ぁっ……ほんとにだめ、だめなのぉ………!」
唇を解いた直後にそう訴えると、彼の指の動きがさらに激しくなった。
ぐち、ぐち、とさらに強くなった水音に羞恥を感じる余裕もないまま、
ただ喘ぐことしかできない。
「いいですよ、その感覚に身を委ねてください」
ごつごつ内奥に軽く指を打ち付けられ。
「ぁ、あああぁぁっ………!?」
悩ましくその身を震わせて、彼女が昇りつめた。
びくびくと全身を跳ねさせて彼の指を一層強く締め付ける。
すばやく指が引き抜かれると、埋めるものを失くした花弁が、
とぷとぷと新たな蜜を吐き出すのが自分でもわかった。
真っ白にけぶった視界のなか、まだひくひくと痙攣している花孔に、
ぬっと硬いものが埋まった感触がして、ヴァリスはびくりと身を震わせた。
「あっ………。」
ぼんやりと霞がかった瞳でベリアンを見上げる。
彼のしようとしている行為に気づいた。
トウラザーズの中から引き摺り出された、
赤黒く猛々しい彼の象徴が、今にもヴァリスの内(なか)に入ってこようとしていた。
本当にこのまま……?
自分から望んだ事だというのに、さざめくような惑いが染みのように広がる。
なぜなら、彼は自分に仕える悪魔執事なのだ。
それなのにもし外部にこの夜のことを悟られてしまったら、
彼らが今よりさらに後ろ指を指される事態に陥るかもしれない。
そんな彼女の惑いを見透かしたのか、ぬるぬると先端を擦り付けながら、
一層強くその腕のなかに包み込まれる。
「大丈夫……。この先にどんな事が待ち受けていようとも、
私が貴女をお守りいたしますから」
きゅっ、とシーツを握りしめていた指を解かせ、指輪に口付ける。
彼女がわずかに力を抜いたのを見計らって、花孔にぐいと深く押し付けた。