第5章 病魔 後編 *【🫖】
「ん、………ふ」
「まだ理性が残っているようですね」
ひとりごつように口にすると、身体の線をたどっていた指が、
ぴったりと閉じあわせた膝にふれる。
「え、………ぃや、」
唐突にひらくと、左手で片膝を押さえつけ、右手で花園を探る。
花弁をなぞるように指がたどっていき、やがて花芽をかすめた。
「んぁっ……!」
途端に今までの感覚とは比べ物にならぬ程、鋭く研ぎ澄まされたような快楽が彼女を襲う。
「あ、……ぁ、………あぁっ………!」
ベリアンの指が花芽をすり潰す度、ひっきりなしに艶音が零れる。
「どんどんあふれてきますよ」
くすくすと笑みを湛えながら、ぐり、ぐり、と強く捏ねられる。
時折花筒から滴る蜜を掬っては花芽に塗り込められ、むずかるようにもがいた。
「や、……もっ………触らな、………ひぅっ」
形ばかりの拒絶はすぐに上塗られる。
入口をくすぐるように撫でたのち、彼の指が挿し込まれたからだ。
「狭いですね。
ゆっくりと馴染ませますから、力を抜いてください」
塞き止めている箇所を優しくすり上げるように、長い指が出たり入ったりを繰り返す。
相変わらず敏感な先端はひくひくと痙攣し、指が抜け出る度に蜜があふれた。
「ぁ、ん……べりあん、………べりあんっ!」
無意識に狭ばった内側が、より強く彼の指を締め付ける。
その事実を知る術もなく、ただ感覚に沈み込んだ。
果てのない快楽の海にゆっくりと堕ちてくいくかのように、
与えられる刺激に欲深く溺れる。
「ひぅ……ん、……ぁっ………!」
「指を増やしますよ」
その予告の直後、宣言通り新たに埋め込まれていく中指。
依然として異物感は感じていたけれど、
優しく撫でられていくうちに、その感覚も少しずつ解きほぐされていった。