第5章 病魔 後編 *【🫖】
「ぁ、………ん、」
さらさらとした髪がシュミーズ越しに肌を滑り、
その間も彼の手は飽くことのなく胸を捏ねている。
時折不埒な悪戯を忘れない指が優しく乳首を擽って、
ぞくぞくと甘い戦慄が背筋を駆け抜けた。
「ぁ、駄目……べりあん、」
「その感覚に身を委ねてください。……心地良いのでしょう」
野苺を摘むように指と指で挟み込まれて、肌が粟立つ。
疼いたのは胸ではなく、みずからの下腹部の奥だ。
きゅんと痺れが広がって、その熱が全身を支配していく。
甘い毒に身を沈めたように、その身が微熱を宿して、
その感覚が脳髄を蝕んで……。
何度も何度も摘まれているうちに、さらに尖って紅くあかく染め上げられる。
心地良さに溺れてしまいそうになりながらも、
彼のおもてをみつめると、熱い瞳と視線がかち合った。
「そのままこちらを見ていてくださいね」
「………?」
唐突な願いに戸惑っていると、その唇が胸元をなぞった。
「あっ……!」
豊かなふくらみのラインをなぞるように唇が這わされ、乳首に濡れた感触がふれる。
「ん……ぅ、………っひぁ、」
指でふれられた時よりも、もっと鮮烈な熱がヴァリスを襲う。
彼の舌がざらりざらりと舐る度、じんじんと熱を帯びた痺れが広がった。
「感じやすいようでいらして、私も嬉しいです」
くすくすと笑み交じりの声が零れ、その吐息が胸を滑る。
そんな様にさえ酷く感じて、彼女は身悶えした。
ベリアンに凝視され、脱がさぬまま乳首を舐められる。
彼の唾液とみずからの汗のせいで薄い布地が貼り付いて、視覚からヴァリスを苛んだ。