第4章 病魔【P128 ~ 🫖*】
「は、………なして、」
弱々しく懇願すると、「っ失礼しました」と急いて手首を解放する。
乱れた髪が少しでも顔を隠すようにと、唇をかんで俯いた。
(見られてしまったんだ……私のこの姿を)
艶やかな髪の狭間で、紅い唇を引き結ぶ。
色を失ったそのおもてのなか、唇だけが鮮烈な色を宿していた。
ふる……っとかんだ唇が震えて、乱れ髪の狭間から彼を見上げる。
「「!」」
その瞳の先で、彼女のほうへと伸ばしかけていた指が止まった。
「…………。」
「…………………。」
彼のロードナイトの双眸と、みずからの紺碧色の双眸との視線が結びあう。
やがてゆっくりと指を下ろしたベリアンは彼女から視線を解きながら立ち上がった。