第5章 病魔 後編 *【🫖】
「私も緊張しているのですよ」
「!」
思考を見透かされて思わずみひらく瞳。
導かれた指の先は彼の胸元だった。
ドク、ドクッ……と強く打ち鳴らしている鼓動を感じ、蜂蜜を纏ったような眼差しが彼女を見下ろす。
「優しくいたしますから、………怖がらないで」
ベリアンの筋張った手が布越しに胸を包む。
その質量と柔らかさを堪能するように捏ねながら、戯れに乳首に軽く指を打ち付けた。
「緊張なさっているせいでしょうか、もうここが昂っていますね」
「ひぁっ……!」
ヴァリスの唇から甘やかな悲鳴が零れる。
ベリアンの手は構いもせずに、ただ思うままに捏ね回した。
「あ、……ぁ、………んぅっ」
「とても柔らかいですね、直にふれても?」
「ん、だ……めっ、………ぁっ」
「かしこまりました。では今しばらくこのままで」
時折彼の指が乳首を捏ね、その度に与えられる熱。
その熱が恥骨の奥に溜まっていき、疼くような温もりを帯びていく。
「心地良いのですか?」
「そんなの、わ、わからな………、」
「貴女のここは好い、と私に伝うようですよ」
ベリアンの指で愛でられたところが、硬く尖って主張している。
薄いリンネルの生地を押し上げて、染まりきった色を透かしていた。
恥ずかしくて瞼をとじると、耳朶に唇を寄せた。
ぬめったものが耳殻を舐め、細い首がのけぞる。
ベリアンの濡れた舌が首筋をたどり、鎖骨の線を刷いて、デコルテに顔を埋めた。