第4章 病魔【P128 ~ 🫖*】
「ふ、………ぅ、」
ふらふらと力の抜け落ちた脚を叱咤して、やっとの思いで自室へとたどり着く。
震える手でノブを回し、素早く足を踏み入れた。
(あの薬……見つかって………!)
デスクにつかまりながら引き出しを探り、紅い錠剤のつまった小瓶をとり出した。
きゅっ……と震える手で蓋をあけ、ひと粒の錠剤を口に含む。
だけど小瓶を置こうとした指は、誤ってそれを落としてしまった。
硝子の破壊音が室内に響く。グラスを手に取り、ひと粒のんだ。
………けれど。
(どうして……!?)
常ならば服用直後に鎮まる火照りも、変わらず呼吸すら儘ならなくて。
咽喉に詰まるような吐息は、みずからの耳にも苦しげに聞こえた。
ゆっくりとその肌を染め上げる、紅いあかい花弁のような斑点。
極め付きは自分でもとらえることができる程に、
みずからの肌から蒸発する———桜と桜桃を混ざりあわせたような芳香がより強く薫っている。