【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第13章 好いとうよ【2月】
side.名前
愛しいと思い始めたのはいつからだったんだろう?
気がつけば、雅治くんを心底守りたいと思っていたの。
「名前。今度の休みテニスせん?」
雅治くんの突然のお誘い。
それに「いいよ」と承諾する。
当日。
意外にも私がラケットを持っていたことに驚く雅治くん。
「名前、ラケット持ってたんか」
「うん。昔お父さんに付き合って少しやってたから」
そんな話をしながらテニスができる場所へと向かった。
「おおっ!上手い上手い!」
グリップの持ち方やフォームを教えて貰い、何とかラリーができる程度になった。
勿論、雅治くんが上手いからだ。
父とした時はホームラン大会だったもん。
しかし、日頃の運動不足のせいで汗が酷い。
「ま、雅治くん…ちょっと休憩っ…」
息を切らして、その場にへたりこむ。
身体がしんどい。
「すまん!すまん!」
楽しそうに笑う雅治くんに抱えられ、ベンチまで運ばれた。
お荷物のように運ばれるのは、実に少し不名誉だ。
しかし疲れて動けないので、ここは気にしないでおこう。