【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第11章 結婚して【2月】
side.仁王雅治
「もう!起きてたんでしょ!ふざけないでよ!」
名前は毎回、顔を真っ赤にして怒る。
「すまん。すまん。朝飯、何?」
「卵焼きと鮭焼いた」
「今日も美味そうじゃのう。顔洗ったら食う」
「じゃあ、ご飯とお味噌汁よそっておくね」
俺の腕をすり抜けてキッチンへ戻る名前。
その後ろ姿は新妻みたいで微笑ましい。
でも、俺としてはもう少し抱きしめていたかった。
朝飯を食べ終えて、俺が後片付けをする間。
名前は化粧などの身支度を整える。
そして8時半に揃って家を出た。
駅まで車で送ってもらい、俺は電車で仕事へ向かう。
車を降りる間際。
「名前。仕事終わったら、また来る?」
「ん?どっちでもいいよ?」
「じゃあ、ハンバーグ作って待っとって」
「うん。行ってらっしゃーい」
笑顔で見送ってくれる名前。
それだけで気分が良くなって、一日の活力になるから不思議だ。