【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第8章 側にいて?【1月】
side.名前
「なあ?名前?」
「…うん?」
「俺はお前さんの存在に救われとる」
「…そう、なの?」
「だから、どこにも行かんで」
「…うん」
「側におって」
「うん」
雅治くんは寂しさ故に、側にいて欲しいと言う。
私はその言葉で、繋ぎ留まる。
彼は知っているのだろうか。
私の過去を…
私が消えたいと願っていることを…
貴方は…
本当の私を知っても、必要としてくれる?
「雅治くん?」
「なんじゃ?」
「抱っこして」
「ん。おいで」
どっちでもいい。
雅治くんが私を必要としてくれる限り、私は消えない。
孤独な貴方を一人にはできない。
こんな私でも、必要としてくれる貴方が誰よりも愛しいの。
だから、お願い…
もう少しだけ
この世界にいて?
私の側にいて?