【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第2章 奇跡の出逢い【1月】
side.仁王雅治
君の瞳はいつも無防備に不安を語っていた。
君は俺と出会ったあの瞬間から、この結末知っていたんだと思う。
ミラクル体験をした。
それは遡ること10年前。
俺はトリップをした。
原因は不明。
俺の生きていた世界を、この世界では“テニスの王子様”と言う。
因って俺は10年前から違う世界で生きている。
因みに先月27歳になった。
こちらの世界に来ると同時に、前の世界の存在は完全に消えた。
漫画で確認済みだ。
遵って俺を“立海の仁王雅治”と見るものは誰もいない。
しかし、こちらの世界でもあちらの世界でも共通の問題がついて周る。
この容姿の所為なのか、昔も今も、何故だが女が群がってくるのだ。
正直言って、鬱陶しい。
そして今も…
「………」
「………」
先程から知らない女が、じーっという効果音がつきそうな勢いで俺を見ている。