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【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】

第5章 この手を離さない【1月】


side.仁王雅治



目覚めると、見慣れた部屋の中にいた。


ここは…部室?


「あれ?仁王はどこだい?」


この声は…幸村?


「恐らく部室の中だ」


参謀…


「全く彼はいつもいつも…」


柳生。


「赤也急げよ!」


ジャッカル!!


「早く着替えないと遅れるぜぃ?」


ブンちゃん!!


「待って下さいよー!!」


赤也!!


「仁王!!いつまでそうしているつもりだ!!」


真田っ!!


バンッと開かれる部室のドア。

逆光で顔は見えない。

相当怒っていると思われる真田の声音は、怖いというよりも懐かしさで泣きそうになった。


“真田っ!!俺はここおる!!”


必死に訴えようとするが声にならない。


どうすればいい!?

俺はここにおるんじゃ!!

気づいてくれ!!

一人にせんで!!




刹那、パチッと眼が開く。視界に映るのは、ここ10年見慣れた天井だった。



「………夢か…」



誰に言うでもなく独り呟いた。


 
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