【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第43章 戦いの連続【7月】
side.仁王雅治
俺と名前の生活は、毎日が戦いの連続だ。
今もそう。
名前が風呂から上がる音がした。
それと同時に、それまで読んでいた雑誌をソファーの上に置き、脱衣所の横に身を潜める。
これで戦闘態勢に入った。
「お風呂、頂きました…」
小声でそろりと脱衣所から出て来る名前。
それを後ろから抱き上げ、ソファーへ連行する。
嫌がるを名前を無理矢理足の間に座らせて、足で体を固定した。
カニばさみだ。
そして濡れてぽたぽた雫の垂れる髪の毛をタオルでがしがし拭いてから、丁寧にドライヤーをかけてやるのだ。
何故こんなことをするのか?
それは、名前が女のくせにどう仕様もなくずぼらだからだ。
俺も人のことを言えるほどマメな人間ではない。
どちらかと言うと名前よりな人間だ。
だが、名前は女のくせに俺に以上にずぼらで、それはそれは目に余るほどなのだった。
したがって彼女と暮らす以上、俺がマメになるしかない。
選択肢はないのだ。