【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第41章 決着【6月】
side.真田弦一郎
仁王に壁を越える勇気を与えたのも彼女なのだろう。
「ぶはっ!あははっ!やっぱ名前はいいね!」
「えっ?何で?」
「確かに…ぶはっ!」
「ヒヤヒヤしたがな」
「納得はいきませんが、まあ嬉しいですね」
「名前先輩、カッコイイッスね!」
俺は手当中の名前の前に立ち、深々と頭を下げる。
「名前には二度も守って貰った。前回の件といい、今回の件も含め、改めて感謝する」
「そんなっ!!全然いいよ!!」
誰かを守るために立ち向かう勇気は尊敬に値する。
それに俺の…
俺たちの大事なテニス部をまた繋いでくれた。
「おおげさだよ!頭上げて!」
「お前には感謝してもしきれない。お前が仁王を支えていてくれているのも分かっている」
「そんな!」
「ふふっ。そうだね」
「ありがとうな、名前!」
「ありがとうございます」
「サンキューな!」
深々と頭を下げる俺や仲間。
「へへっ。お安い御用だよ!」
傷だらけの顔ではにかむ様に笑う名前。
その笑顔に心が絆される。
同時に、仁王は幸せ者だなと羨ましく思った。