【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第33章 常套手段は勘弁して下さい【5月】
side.幸村精市
「幸村部長って、仁王先輩の彼女と同じクラスなんすよね?」
部活終了後。
部室で着替えていると、赤也が怖ず怖ずと聞いてきた。
たぶん今日の乱闘騒ぎで本格的に気になり、蓮二辺りに聞いたのだろう。
俺は笑顔で「うん、そうだよ?」と答えると、戸惑いながらも「あの人、どんな人なんすか?」と聞いてくる赤也。
「へえ、気になるの?」
「えっ、まあ…」
「俺も思った。だって、あの仁王の彼女だぜい。気になるだろぃ!」
丸井も気になるようで会話に乱入してくる。
そりゃそうか。
入学以来ずっと隠してきたのに、いきなりあんな登場だもんね。
本当に名前には驚かされてばっかりだ。
笑える。
そして、俺はまた良からぬことを考えてしまった。