【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第32章 特攻隊長は誰だ!?【5月】
side.名前
「何であんな無茶するんじゃ!?」
「…つい」
「名前さん!ついでは済まされないでしょう!ケガでもしたらどうするんです!」
「…はい」
「ところで名前。怪我はないか?」
「…れ、蓮二くん!」
「はいはい。蓮二に泣きつこうったってだめだよ」
「くっ…」
「くっ…って何じゃ!くっ…って!ほんとに反省しとんのか!?」
………
くっ。
私としたころが…
…やってしまった。
今、私はコートのど真ん中に正座をさせられている。
先ほど、ついカッとなって平部員の人を殴り飛ばしてしまった。
その結果、雅治くんたちによって、最早恒例になりつつあるお説教を受けているのだ。
今回ばかりはどんな言い訳も聞いてくれそうにない。
唯一優しい蓮二くんも精市くんによって遠ざけられてしまった。
最早逃げる術はない。
ここは腹を括ってジンジン足とネチネチ耳タコの刑を受けるしかなさそうだ。
私が諦めかけた瞬間だった。