【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第29章 露呈【4月】
side.名前
「俺、仁王たちが名前のこと隠そうとしたの分かる気がする」
「精市。それはどういう意味だ?」
「んー。名前ってなんか可愛いんだよね」
「はっ?いくら幸村でも名前だけはやらんぜよ!」
「なんか守ってあげたくなるような?世話してあげたくなるような?微妙な感じなんだよね」
「私は分かりますよ。きっと真田くんもそう思っているでしょう」
「しかし、弦一郎のあの顔は如何なものかと俺は思う」
「確かにデレデレしすぎやせんか?」
「ふふっ。確かに気持ち悪いね」
後ろを歩く4人がそんな話をしていることを知らない私と弦一郎くんは、仲良くお話しながら廊下を歩く。
今回の件はこれにて一件落着したように思えたが、これで終わりではなかった。
それは雅治くんがある疑問を抱いてしまったことが原因である。
「ところで、何で真田は名前のこと探してたんじゃ?」
「ああ。それはね―――」
精市くんの話を聞いた雅治くん、蓮二くん、比呂士くんの3人は
「「「………何ーーーー!?」」」
と揃いも揃って大声を上げるので、前を歩いていた私と真田くんも驚いて振り返った。
そして、そんな3人によって問い詰められた私は、泣きをみるのであった。