【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第28章 ゲリラ放送【4月】
side.名前
やっとの思いで中庭に続く渡り廊下に辿り着く。
すると中庭に見慣れた顔ぶれが揃っており、私の足はピタリと止まってしまう。
呆れ顔の蓮二くんと真田弦一郎くん。
そして明らかに顔がおかしい(失礼)比呂士くんと雅治くんがいたため、頭も体も完全にフリーズしてしまう。
やばいっ!!
絶対、怒られる!!
そう思うと同時に、立ち尽くす私を見つけた蓮二くんが「精市。名前を捕獲した」と精市くんに電話をしたようだ。
しかし捕獲って…
私は脱走謀った犬か何かなのだろうか。
近寄って来た蓮二くんに二の腕を捕まえられた
その時
『名前ーー!!そのまま中庭で待っててーー!!』
『もういいから早く行って下さい…』
“ブツッ”
と放送が切れる音がして、やっと恥ずかしい演説が終わりを告げたのであった。