【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第27章 精市くんの疑問【4月】
side.幸村精市
本当に予想外だったんだ。
件の脅迫状事件で真田を助けてくれたこともそうだが、俺の気になる人物その1。
真田の様子がおかしい原因が名前だったということ。
それに、あの名前が、俺の気になる人物その2。
仁王とも何かしらの関わりがあったなんて…。
「そうだったんだ…。それで、真田は名前に会ってどうするつもりなんだい?」
「俺は、もう一度きちんと礼を言いたいんだ」
「ふーん…分かった。そういうことならお昼休み中庭で待ってなよ。名前を呼び出してあげるから」
お礼を告げて授業へ戻って行く真田。
俺は、その後ろ姿を見送りながら色々な仮説を立ててみる。
仁王との共通点などない筈の名前が、何故、仁王の携帯の番号までしているのか?
あいつ…
俺すらも知らないのに(ちょっとしたヤキモチ)。
もしかすると、2人は仲が良い?
それに、もしかすると仁王を通じて、名前と知り合ったために、柳生はあの編み物をしている可能性もある。
となると…
さて、どうやって名前を呼び出そうか?
全てを明確にするために一番効果的な方法を考えついた俺は、1人ニヤリと笑うのであった。