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【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】

第22章 ストッカーではなくストーカー【3月】


side.真田弦一郎



畳の香りがする和室。

この部屋に良く合うテーブルの上に置かれた一通の手紙。

手紙と睨めっこする俺、真田弦一郎は悩んでいた。



数日前、自宅の郵便ポストに入っていたこの手紙。

内容はこうだ。



“真田くんへ


こんにちは。

春休みに入って真田くんを見かけることが多くなりました。

甥っ子くん、可愛いね。

真田くんによく似てる。”



差出人は不明である。

俺はどう解釈したら良いものか…と悩んでいた。

筆跡から見て、送り主は女性ということしか分からない。


しかし、どう考えても怪しすぎるのだ。


性格は生意気だが、確かに甥っ子は可愛い。

俺に似ているかどうかは疑問だ。

とにかく可愛いのは認めよう。

しかし、何故俺宛に甥っ子の話など持ち出すのだろう。

しかも匿名でだ。


甥っ子に興味があるということなのだろうか…。


うんうん悩んでいるうちにピンときてしまった。


俺としたことがっ!!


慌てて甥っ子がいる茶の間へ向かう。



狙いは甥っ子。

これは犯行予告だ。

犯人は誘拐を企てている輩。

そして、俺に何らかの恨みを持つ怨恨の犯行だ。


 
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