【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第21章 特売【3月】
side.名前
「雅治くん!起きて!」
「………」
「部活の時間だよ!」
「………」
「おはよう、ダーリン」
「………」
「………(今のちょっと悲しい)」
現在の時刻AM8:00。
立海の受験を無事に終えた私は主婦業に励んでおり、今朝も雅治くんの低血圧と戦うのであった。
私の朝は早い。
AM7:00起床。
その後、顔を洗って歯を磨き、決して得意ではない料理と格闘する。
野菜を切って、お肉を炒めて、卵焼きを作って、お味噌汁を温めて(昨日の残り)、昨日セットしていおいたご飯をよそる。
そして、雅治くんのお弁当にも同じものを詰め込み、ちょっと冷凍食品をこっそり混ぜれば完成だ。
そして8時になると、雅治くんを起こしに寝室へ向かい、どんなに叫んでも起きない雅治くんと格闘するのである。
いっこうに起きる気配を見せない雅治くん。
仕方がない…。
少しベッドから離れた私は、助走をつけてそのまま雅治くんの上にダイブする。
「とうっ!!」
「ぐえっ!!」
「あ。起きた。おはよう、雅治くん」
「………おはよう、名前。つーか、もうちーと優しく起こせんか?」
「これ以上、優しく起こせないよ」
「………(これが精一杯の優しさなんじゃろうか?)」
「朝ごはんできてるよ」
「ん。今行く」
雅治くんの返事を聞いた私は、そのままキッチンへ戻り、ご飯とお味噌汁を盛る。
どんなにへタッピでもおいしいと食べてくれる雅治くんに、満足した私は、笑顔で部活に行く雅治くんを見送るのであった。