【テニスの王子様】Nobody else【仁王雅治】
第20章 お受験戦争【3月】
side.名前
「名前さん、そこのスペル違いますよ!」
「…はい」
「……柳生…」
「名前さん、足を崩さない!」
「…はい」
「…柳生…」
「名前さん、手が止まってますよ!」
「…は――」
「柳生っ!」
「はい?」
「もう見てられんっ!!名前ちゃんが可哀相じゃ!!」
「何、甘いことを言ってるのです!名前さんを立海に入れて差し上げたいのでしょう?」
「じゃけえ…」
「仁王くんは黙って夕食の準備をなさい。はい。名前さんは手を動かす」
「「…はい」」
何故こうなったのかを説明しよう。
今から遡ること2時間前___。
部活を終えた雅治くんが、玄関を開ける音がした。
一時勉強を中断して、出迎える。
そこに彗星の如く現れたのが柳生比呂士くんがいたのだった。