第6章 僕の名前を
最後は........
アルナ「アレンか.........」
まるで走馬灯のように、記憶が頭の中を駆け巡った。
アルナ「なんだかんだ言って、アレンと一番思い出多かったからな〜......」
アレンのところに向かう。
最初、僕を見て驚いたアレン......アクマを倒す為に一生懸命だったアレン......後、意外に黒かったり(笑)......
考えれば考えるほど、思い出される。
可愛い寝顔のアレン、リナリーと一緒に笑っていた時のアレン、知らない僕にも優しくしてくれたアレン......
ここの数日間で、本当にアレンのことをよく知れた。
倒れているアレンに近づくと、その隣に腰を下ろした。
アルナ「......アレンって、優しいよね」
......そうやって聞こえるわけもないのに、1人囁きかけた。
いや、むしろ聞こえないと分かっていたからこそ......僕は喋ったのかもしれない。
まぁ、自分でもよくは分からなかった......
アルナ「僕ね、実はずっとアレン達を見てたんだ。あ、ストーカー的な訳じゃないよ!?(汗)」
アルナ「僕に初めて会った時も、アレンは少し動揺してたけど......それでも僕の質問に答えてくれたよね」
アルナ「......ホントは自分でも気付いてたんだ。酷い事を言ってたって......」
アルナ「だって僕、アレンの話を無視したんだよ?我ながら、凄い自己チューだと思った(笑)」
アルナ「......だから、アレンは僕の質問に答えてくれる事は...正直、無いと思ってたんだ」
アルナ「でも、アレンは答えてくれた......初めて...いや、僕にとってそんな人はふたりめだった」
アルナ「......嬉しかったんだ...ただ、素直に......」
アルナ「............ありがとう......アレン......」
気付けば、何も考えず思った事をそのまま口に出してた。
......それでもいいと思った。
アレンに聞いてもらえなくても、口にすることで僕は満足だった。