第5章 桜 色 の 泪[煉獄杏寿郎]
「槇寿郎様、私は…まだ杏寿郎様に婚姻の申し込みすらされていません」
「杏寿郎がはなを手放すとは到底思えん。もう嫁にきたようなものであろう。お前にもその気があれば…の話だがな」
そして、やっと駒を持ちパチンと打った
すっかり槇寿郎様の言葉にのぼせ上がってしまった私はその乾いた音にハッとする。
「あっ…」
「どうした…杏寿郎のことでも考えていたか? 気が散っておる」
「槇寿郎様には敵いませんね。私の負けです」
勝負あり。槇寿郎様の勝ちだ。
「付き合わせて悪かったな。頭を使ったようだし眠れるであろう」
槇寿郎様の言う通り、瞼が重くなりあくびも出てしまいそうだ。
「良く眠れそうです。槇寿郎様もお休みになられて下さいね?」
「茶を飲んだら俺も寝るとしよう」
おやすみなさい、と挨拶をして居間を後にした。
相変わらず杏寿郎様が帰ってくる様子はないけれど、槇寿郎様のおかげで眠りにつくことはできそうだ。
「大丈夫、朝になればきっと帰ってくる。おやすみなさい…杏寿郎様」
冷たい空間にポツリ呟いて瞳を閉じた。
「槇寿郎様、私は…まだ杏寿郎様に婚姻の申し込みすらされていません」
「杏寿郎がハナを手放すとは到底思えん。もう嫁にきたようなものであろう。お前にもその気があれば…の話だがな」
そして、やっと駒を持ちパチンと打った
すっかり槇寿郎様の言葉にのぼせ上がってしまった私はその乾いた音にハッとする。
「あっ…」
「どうした…杏寿郎のことでも考えていたか? 気が散っておる」
「槇寿郎様には敵いませんね。私の負けです」
勝負あり。槇寿郎様の勝ちだ。
「付き合わせて悪かったな。頭を使ったようだし眠れるであろう」
槇寿郎様の言う通り、瞼が重くなりあくびも出てしまいそうだ。
「良く眠れそうです。槇寿郎様もお休みになられて下さいね?」
「茶を飲んだら俺も寝るとしよう」
おやすみなさい、と挨拶をして居間を後にした。
相変わらず杏寿郎様が帰ってくる様子はないけれど、槇寿郎様のおかげで眠りにつくことはできそうだ。
「大丈夫、朝になればきっと帰ってくる。おやすみなさい…杏寿郎様」
冷たい空間にポツリ呟いて瞳を閉じた。