第3章 懐 想 [煉獄杏寿郎]バレンタイン
「どうして…わかったの?」
どうしておはぎを作ったのだろう…さつまいも餡の…
自分で自分の行動が良くわからなかった
それでも、嬉しそうに受け取ってくれた
『なぜだろうな?俺にも不思議だ……
はな、行儀が悪いが…ここで食べても良いか?』
私がお重箱の蓋を開けるとフォークで器用に切りながら食べてくれる
『美味い!懐かしい…味がするな…』
そう言って顔を綻ばせてくれる杏寿郎さんを見つめた
幸せだな…ずっと続くといいな…
ねっ?杏寿郎さん
そう思いながら……甘いさつまいものおはぎの後に…
私が根を上げても抱かれた
懐かしい…
俺は思い出したんだ
君のことを……
確かに君を愛してた
心から。今もそれは同じだ
このことは、君には内緒にしておこう
何度だって俺と恋に落ちて欲しい
はな愛している
昔も今もこれからも……
――fin.――