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夜空に輝く星一つ。【鬼滅の刃 短編 中編 】

第3章 懐 想 [煉獄杏寿郎]バレンタイン



果てた彼女を見て、思い出したことがある。

ずっと昔だ
俺はこの女性を一度愛している

詳しいことは思い出せないが、それは確かだ

そんな愛おしい彼女は力なく空気を取り込んでいて、俺のモノでそうなったと思うと途端に吐精感に襲われた


『はなもう少し…付き合ってくれ…』

久しぶりの彼女をじっくり堪能したかったはずだ
しかし、こんなにも可愛い彼女の目の前に一度吐き出さないと気が済まなくなってしまった

「う…ん…」

はなは俺の首に腕を回してくる
これはキスを欲しがっている合図だ
本人は無意識のようだが、これが堪らなく好きだ

唇を重ねれば、自分から舌を入れてきた
驚きつつ受け入れてやり腰を打ち付ける

「んっ…ふっ…あぁっ…んっ…あぁあっ…また…イクっ……はぁっ…あっ…んっんん゛」

なんとも甘い喘ぎだ

俺は堪らなくなり、最後の仕上げの律動を送り込み彼女の中で共に果てた

ベッドの上にあるゴムはいくら買っても足りなくて、あまりの減りに自分で情けなることもある

こうも堪えられない男だったのか…と思いつつ彼女を目の前にすればそんなことはどうでも良くなってしまう


そっと引き抜くと、ピクッと体を跳ねさせた
そんなところも、愛おしくて額にキスを浴びせるとなんとも可愛らしい笑顔を見せてくれた

君がどこにいようと、見つけ引き寄せると約束をした

懐かしい想いは気のせいではなく、確かなものだった

はなの笑顔を見つめていたら、思い出したように俺の腕から抜けていった。

『どこへ行くのだ?』

俺のワイシャツに袖を通し、待ってて!ととびきりの笑顔を見せ、下へ降りていった

大きめのワイシャツに身を包んだはなはとても愛らしく、あれを脱がせるのもまたいいな…などと考えてしまう

するとトントンと階段を登る音がして

「杏寿郎さん!」

可愛い声が俺を呼んだ

ベッドに腰かけて、ピッタリと俺に寄り添って小さな重箱を出してきた

『これは?』

「あのね…バレンタインと言えばチョコでしょ?それなのに…私、おはぎ…作っちゃって…」

『もしや…さつまいも餡か?』
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