第4章 遭遇
「悪かった。避けたりしてるつもりはなかった。そんな風に思わせてたとは思ってなかったんだ。ただ、、、」
爆豪はギュッとさくらを頭から抱きしめた。
さくらの嗚咽が胸に響く。
「俺にだってなぁ、分かってンだよ、、、テメェが無理しても頑張る奴だって。十分すぎるぐらい」
「、、、」
黙り込むさくら。
息遣いは落ち着いてきたな。、、、分かってもらえたか?
いや、そんなの俺の自己満足だってまた怒る出すかもな。
それでも、、、
「だからこそ、、、だからこそ言えねェんだ。頼むから、俺のこと信じて今は待っててほしい。今は俺にお前のこと守らせてくれねェか?」
大切なんだ。
自分でもこんなことは初めてで戸惑ってる。
それでもやっぱりお前にこれ以上、傷の一つでも付けたくねェんだ。
「俺が絶対に守る」
だから、、、
「なあ、さくら。分かってくれたか、、、?」
「、、、」
沈黙し続けるさくらの様子を窺う。
「さくら?」
もしかしてまた泣かしたか、、、?
さくらが顔を上げる。胸が再び痛み出す。
「、、、抱っこ」
「、、、は?」
そんな爆豪に向かってさくらはヘラっと笑った。
爆豪の頭はそんなさくらの言葉を処理しきれない。
「勝己くん!抱っこー!」
「ま、まさか、テメェ、今の俺の話聞いてなかったんか、、、?」
爆豪は自分の頬が引くつくのを抑えることができない。
「、、、? うん!」
「、、、はーーーーっ」
天使のような笑顔で認めるさくらに、やっとのことで頭が追いついた爆豪は、その場にしゃがみこんだ。
落ち着け、俺。
相手は酔っ払いだろ? そうだ!相手は酔っ払いだ!
「って落ち着けるか、クソがぁぁぁっ!!何が抱っこだこのクソヤローーーっ!!」
勢いに任せてさくらを持ち上げてベッドに放り込む。
「やぁっ!」
「なーにが、やぁっ!だ!!酔っ払いはそこでグースカいびきかいて寝て、、、」
振り返った爆豪の目に飛び込んできたのは、
「勝己くん、、、ぎゅーしよ??」
潤んだ瞳で手を伸ばし、捲れたスカートもそのままに爆豪を求めるさくらの姿だった。
「ッ、、、」
その瞬間、爆豪の頭の中で何かがプツンと切れた。