第4章 遭遇
「か、辛ッ!!勝己くん、ごめん、辛すぎだよね?無理して食べなくてもいいですからっ」
さくらはあまりに辛いカレーに悶絶した。
「ア?丁度いい、これくらい辛くねェとパンチが足りねェだろ?」
「ふふっ、勝己くんって変わってるよね」
この辛さのものを普通にばくばく食べる姿に思わず吹き出す。
「何笑ってんだよ」
そう言いつつ爆豪もニヤリと笑っている。
「ふふふ。あー、やっぱりダメだ。お水お水っ」
笑うのを堪えながら冷蔵庫まで駆けて水のおかわりをする。
その時ふと上鳴にもらった袋が目に入った。
「あ、そういえば、これ上鳴さんにもらったジュースがあったんです!勝己くん、一緒に飲みません?」
「俺はいい。せっかくの辛さが無くなっちまうだろーが」
「そっか。じゃあ食事の後で出しますね。私は今飲んじゃおーっと。っていうか、何のジュースなんだろ?外国語ばっかりで分かんないな。勝己くん、分かります?」
「はぁ?俺に分かるわけねぇだろ」
「そりゃそうか」
「アァ?今、お前、ちょっと俺のことバカにしただろ?」
「えー、してませんよ?」
怒っているのに目が笑ってる。
そんな表情に顔が綻ぶ。
「入れてやるよ」
「ありがとう」
爆豪がさくらのグラスにジュースを注ぐ。
それだけでもう美味しそうだ。
「ゴクゴクッ。ぷあーっ、美味しいっ!」
「ハッ!オッサンくせぇ!そんなにうまいか?」
「はいっ!甘くって私この味好き、、、って、あれ?」
ぐらり。目の前が歪む。
爆豪の顔がボヤける。
「ア?どーした?」
「んー?」
耳までおかしくなってしまったのか。
爆豪の声もグワングワンとしてよく聞き取れない。
いや、違う。
グワングワンとしているのは私、、、??
さくらの意識はそこで途切れた。