第4章 遭遇
朝になるとさくらのもとに色んな人がやってきた。
まずはリカバリーガール。
「リカバリーガール。この度はご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「まさか荷物を頼んで脳震とうで帰ってくるとは思ってなかったね」
「す、すみません、、、」
さくらはぐうの音も出ない。
「でも、ま、あんたのお陰であの子達はヒーローを続けられるよ。協会に報告しない代わりに、両方ともこっぴどく叱っておいたからね」
「こっぴどく、、、」
リカバリーガールのそんな姿想像できない。
2人は大丈夫だったのだろうか。
「あんたの方は今晩には戻っていいからね。それじゃ、ふふふ」
笑みを浮かべながら口の前で人差し指を立てるリカバリーガールにさくらは震えた。
次に来たのは、お茶子とデクだった。
「さくらちゃん!!調子はどうなんっ!?」
扉を開けるなりさくらの肩を揺らすお茶子。
「あ、ちょっと麗日さん、そんなに揺すったらダメだよ」
すぐにデクに止められる。
「わ!そうだよね!ごめんね!大丈夫?」
「はい、大丈夫です!というかご心配をおかけしてすみません」
「謝るのはこっちの方だよ!私達が止めないといけなかったのに、、、」
お茶子がしゅんとする。
「いえ、そんな!私が勝手に飛び出して。というか、デクさん、そのネックレス、、、」
手を振りながら、デクの胸元に銀色に光るチェーンに目がいった。
「あぁ、これ?この間麗日さんにもらったんだ」
嬉しそうに顔を赤らめるデクに、さくらは興奮した。
お茶子の方を見るとお茶子がグッと親指を上げた。
「すっごく似合ってます!可愛いです!カッコイイです!お茶子さん、デクさん!」
「ふふ、ありがとう」
「ありがとう。僕も気に入ってるんだ」
言葉が被って笑い合う2人。
その姿に勝己がピアスを嬉しそうに見せる姿を思い出した。
2人が出て行った後も、勝己の姿が頭から離れない。
姿だけじゃない。その手、息遣い。言葉。全部が頭に浮かんで、つい顔が綻ぶ。
「どうしよう」
少し前に別れたばかりなのに。
まだ恥ずかしくてまともに顔を見れる自信もないのに。
もう会いたくなってる。
「今、何してるんだろう」
さくらは遠く窓の外を眺めた。