第3章 変化
ギシ、、、。
ベッドがきしむ音でさくらは気がついた。
「悪ィ、起こしちまったか」
ぼんやりと白んだ空をバックに爆豪が服を着ていた。
「あ、あの、、、」
改めて気がつく自分の姿に恥じらっていると、頭からバサッと布団を掛けられた。
「はは、ミノムシ」
「ぶはっ、、、何するんですか!いきなり!、、、って、痛ッ!」
はね起きようとしたところで、下腹部に痛みが走る。
「痛むのか?」
しかめた顔にズイっと爆豪の顔が近づく。
「っ!!だ、だだ大丈夫!大丈夫!!です!!」
ダメだ、、、めっちゃ意識しちゃう、、、!
だって、私、この人と、、、この人と、、、っ!!
「ん?ハッ!何だテメェ、今更照れてんのか?」
ッ!バレてる!!っていうか、耳元で笑わないで〜!!
赤くなったさくらに爆豪は喜んだ。
「無理させた自覚はある。とにかくゆっくり寝とけ。」
温かい手が優しくさくらの腹を撫でる。
こんなのズルい。優しい、、、嬉しい。
いや、だけどそれよりも。
さくらの胸に再び不安がよぎる。
「ダイナ、、、あ、勝己くん。一体どこへ、、、?」
行ってしまうの?
そう言いかけたさくらの視界の端で爆豪の耳がキラリと光った。
「ん?何か言ったか?」
「あ、、、それ」
「ア?あぁ、これ、どーだ?似合ってんだろ?」
あげるなんて言った覚えはないのに、耳を自慢げに見せる姿に、何も言えなくなる。
「うん、、、すごく、、、」
似合ってる。
「カッコイイ、、、」
「ハッ!当たり前だ!バーカ」
「、、、」
惚ける頭をスッと抱きしめられる。
「大丈夫だ。明るくなったらまた来る。お前の側から居なくなるなんて2度と言わねェよ」
「!」
「だから安心して寝てろや」
「、、、はいっ」
布団の中で笑った唇にキスが落ちる。
空が明るい黄色に包まれようとしていた。