第2章 新しい生活
「、、、ったく」
ベッド横のパイプ椅子に腰掛けると、ギシッと鈍い音が鳴った。
「う、、、ん、、、」
「っぶね!」
その音に反応してさくらが顔をしかめて寝返りを打った。
ドクドクと爆豪の心臓は変な音を立てて、『このバカ!』と言っているような気がした。
「ん?」
寝返りを打った拍子に落ちたのだろう。額の布巾が落ちていた。
「、、、」
爆豪はそれを拾って洗うと、さくらに近づいた。
おもむろにその額に自分の手の甲を当てるとまだ熱く、頬は赤く火照っている。
「悪かった」
荒い息遣いに胸が痛い。
そんな自分に戸惑いながらも、その額に冷たい布巾をそっと置いて、ズレていた掛け布団を直した。
そして席に戻ろうとした時、
「ダイナマイト、、、?」
さくらの目が薄らと開いた。
「あ。お、起きたのか、、、?」
戸惑う爆豪。
「うん」
へらっと微笑むさくら。
頬が赤いからか?コイツこんなに可愛かったっけ?
その笑顔にドキリとする。
誤魔化すように目を逸らした。
「お前、まだ熱があるんだろ?もう少し寝てろ」
「やだ!」
さくらを再び寝かせようとしたダイナマイトの手をさくらが押し戻す。
まさかの抵抗に爆豪は驚いた。
「ハァ!?やだってテメェ、何をふざけたことを!!」
「ふざけてないもん!」
「!?」
ガタン!盛大な音を立てた瞬間に背中に痛みが走る。
爆豪の手を振り解こうとしたさくらがバランスを崩して爆豪の上に落ちてきたのだ。
「コラ!テメェ、危ねぇだろーが!!怪我は!?どこも打ってねェだろうな!?」
「ふふ、、、うん、だーいじょーぶ」
怒りながらも心配する爆豪に対してさくらはニコニコとして、爆豪の胸に寄りかかっている。
ダメだ、コイツ。熱でおかしくなってやがるんだ。
「おい、コラ、どけ。ベッドに戻すぞ」
「へへ、気持ちいい」
「ッ!?」
さくらの柔らかい頬にすりすりと触れられて固まる爆豪。
昨日も同じような状況だったが、コスチュームに比べて今のTシャツ1枚の格好だとさくらの体温がより直に感じられた。