第2章 新しい生活
あの会議でさくらは何とか自分のこと、あの日のことを話すことができた。
途中、詰まりそうになるとダイナマイトが背中をポンと叩いて、「大丈夫だ」そう言ってくれているように頷いてくれた。
その結果、
さくらの個性については、本会議の出席者以外には絶対に内密にすること。
さくらをヒーロー協会で保護し、常時警護をつけること。
同時にあのヴィランについては過去の事件にも遡り調査を継続すること。
が決まった。
そして今、さくらはウラビティに案内され、ヒーロー協会内部の宿泊施設にいた。
「はぁ、、、」
部屋に荷物を置いた途端に、身体から力が抜ける。
「さくらちゃん、疲れたやろ?」
ウラビティがそんなさくらに水をくれた。
「あ、すみません。大丈夫です」
「いやいや、あんなん疲れて当然やから!私なんか席に着いてるだけで肩凝ったわ」
「あはは」
ウラビティの心遣いが嬉しい。
さくらは促されるままにソファに腰掛けた。
ヒーロー協会の宿泊施設。
女性用の部屋だからだろうか。可愛らしいファブリック調のソファに、シングルながらも柔らかそうなベッド。お洒落な洗面台。防犯上、腰窓が1つあるだけだが、外から見えないようにするためだろうか。ベランダにあるグリーンカーテンと、ところどころに観葉植物も置かれており、そこまで閉塞感は無さそうだ。
それに警護の1人はウラビティが付いてくれることになった。
ウラビティは話しやすいし、どこか自分と重なる所があるような気がして、さくらはほっとした。
「でも、さくらちゃん、正直に話してくれてありがとう。ダイナマイト、満足そうやったね」
「、、、そうでしょうか?」
会議が終わるとダイナマイトはさくらをチラリと睨むように見下ろして、何も言わずに行ってしまったから、さくらはダイナマイトが怒っているのかと思っていた。
本当は少し褒めてもらえるんじゃないかと期待していたけれど。
「ホンマはさくらちゃんにお礼言いたかったけど、なんて言っていいんかわからんかったんちゃうかな?なんか困ったような顔が面白かったわ」
「ウラビティさんは、ダイナマイトのことよく知ってるんですね」