第2章 転生
「というわけで僕の花嫁になってくれる?」
「…はあ…えっ?…ええっ?」
さっきから何を言うんだ。
この人は。
「だって数百年も前から約束してたんだよ!?運命でしょ!」
「でも!私、五条さんのこと何も知らない!」
「大丈夫!大丈夫!僕らは昔から相思相愛!僕のことは結婚してから追々知ってよ」
出会って直ぐに結婚だなんて…。
お見合いじゃないんだから。
それに両親や職場になんて言ったらいいの?
今の住居は?
考える事が多すぎる。
そもそも過去の私はなんだったの?
いや、今更か。
この際過去のことはどうでもいい。
今世の私が、今世のこの人を好きなのか?ということが肝心だ。
「何?僕じゃ不満?」
「いえ。不満とか、そういう訳では…。ただ、あまりにも急すぎて。過去と今がごっちゃというか、何というか?」
「うーん。それもそうか…」
「…はい…」
不満なんてとんでもない。
五条さんはすごく素敵な男性だと思う。
でも、心が追いつかない。