第2章 転生
さっき思い出したばかりだし。
彼を恋しがっていたのは、過去の私だから。
今の私の気持ちは…
「今日会ったばかりだし…分かりません…」
確信を持てなくて、曖昧に答えてしまう。
私の悪い癖だ。
それでも彼は優しい眼差しで私を見つめる。
「僕はね。君のことをずっと探していたんだ」
「…はい…」
「何年経っても、また君を見つけるって約束したでしょ?」
五条さんは私の髪を一房取ると。
艶っぽく視線でキスをする。
その仕草を見て、彼は相当遊んできたんだと思った。
普通の女の子ならコロッといきそうだけどね。
生憎、男運がない私はその手に引っ掛からない。
「でも、それは過去の私との約束ですよね?」
今の私は、きっと見た身も性格も違うはず。
変わらないのは魂だけ。
「ははっ!今、君と話して分かったよ」
「何を?」
「僕は過去も今も変わらないって」
突然、笑うから驚いた。
さっきまであんなに色っぽかったのに。
先程とは打って変わって。
今度は常軌を逸した顔になる。
「この胸の高鳴りっ!分かる?僕は今、まさに君に恋をしてるんだよ!」
「…はっ?…えっ?…」
もう驚きすぎて言葉が見つからない。