第9章 過去
「あれかな?海外ドラマでやるような認知面接みたいな感じなのかな?」
「どうだろうね」
待合室で一人そわそわしてしまう。
悟さんは適当に雑誌読んでるし。
硝子さんはタバコ普通に吸ってるし。
何でこんなにくつろいでられるの?
ガラスのハートの私は気が気じゃない。
「ご予約の家入様。中へどうぞ」
「ああ。私の名前で予約しておいたから」
「えっ?もう?まだ心の準備が出来てないんだけど」
「我儘言わない。ほら。行くよ」
2人に手を引かれて中へ入る。
「硝子ちゃん。久しぶり」
「久しぶり。今日は宜しくね」
硝子さんの話している人がセラピストなのだろう。
すごく優しそうなオーラの人。
「今日はこの子の過去を視てあげて欲しいんだけど」
「苗字名前です。宜しくお願いします」
「名前さん、宜しくね」
「ところで僕は一緒にいていいの?」
硝子さんのご友人の先生は「うーん」と悩んでいる。
私としては心細いから側にいて欲しい。