第8章 疑問*
考えていると、医務室のドアが開いた。
「遅くなってごめーん」
「えっ!?悟さん!?」
「名前ー。寂しかったでしょ?心細かったでしょ?ごめんねー」
「ちょっ!人前で、やめてっ!」
私を見るなり抱きしめて、首元に擦りよる悟さん。
「五条。まだ問診の最中なんだ。邪魔するなら出ていけ」
「ちぇっ」
「えっ?それでここに居座るの?」
「うん。静かにしてれば問題ないんでしょ?」
そんな満弁の笑顔で言われたら断れないじゃん。
「で?他にはないの?」
「特には」
「ふーん。とりあえず血液サンプルでもとっておく?あと苗字がいいなら少し指先きってみるとか」
「はあ!?ダメに決まってんじゃん!」
めんどくさい。
私の身体のことなんだから、ちょっと調べるくらいいいじゃんか。
「髪の毛一本まで、名前は僕のものなんだよ!傷つけていいわけないでしょ!」
「五条。五月蠅い」
「採血くらいいいじゃん」
「だめ!」
家入さんがため息をついた。