第2章 転生
『愛してる』
『何年経っても、また君を見つける』
『この瞳を覚えておいて』
満月の夜。
月明かりの下で誓った。
『また来世で』
私は青色の瞳の“彼”に口付けをして
ブツリと消えた…。
はっきりと視える。
これは私の過去世だ。
今までこんなに鮮明な記憶を視たことがなかった。
混乱して、思考が追いつかない。
呆けていると、男性は私の手を引いて。
ギュッと、私を腕の中に収めた。
“彼”に抱きしめてられている。
「…やっと…見つけた…」
私はこの温もりを知っていた。
堪らなく恋しかったの。
まるで呪いから解かれたように。
長い眠りから覚めたように錯覚する。
言葉にならない想いが、涙になって溢れだした。
私は貴方を愛してる。
熱の篭った瞳で“彼”を見つめた。
「君。名前は?」
名前なんて必要なの?
「…名前…」
「名前。君を愛してるよ」
彼は触れるだけのキスをした。
そして優しく涙を拭われる。
「僕の名前は五条悟」
あの夢の意味を漸く理解した。
私はこの人と出会う為に
転生したんだ。
そして運命のように、
私はまた貴方に恋をする。