第5章 支配*
目が覚めると、頭に痛みが走った。
喉が痛い。
気持ち悪い。
頭が割れそう。
眩暈がして、ぐわんぐわんと視界が揺れる。
私の異変に悟さんが気づいた。
「名前?どうしたの?大丈夫?」
「…うー…ぐらぐら…する…」
風邪かな?
最近疲れてたし、疲労?
状態を起こせないでいると。
悟さんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ちょっと眩暈がするだけだから、大丈夫だよ」
何て顔してるの?
昨日の事を気にしてる?
「今日は仕事休むでしょ?」
「そうだね。これじゃ仕事にならないや」
私のスマホを手渡してくれる。
職場に体調不良の連絡をいれて、今日は一日安静となった。
「欲しいものある?」
「うーん。お水。あとは…眠い」
「待ってね」
いつになく優しい悟さん。
「はい。起きて。水だよ」
私を起こしてお水を飲ませてくれる。
「ありがとう。あっ、ねえ?」
「うん?」
「もう一つ…欲しいのある」
「何?」
「優しい悟さん」
「えっ?」
悟さんでも戸惑うんだね。
そんな顔、初めて見たよ。