第36章 団結*
今日は悟さんに私達の秘密を明かした。
これであの未来は回避できるのかな?
そうだといいけど。
蓮と心を寝かしつけた悟さんが、私の元へやってくる。
「難しい顔してどうしたの?」
「ねえ?あの袈裟を着た男の人。あの人が獄門疆の所有者だと思うんだけど」
「ああ。アイツね」
「やっぱり知り合いなの?」
「うん」
悟さんはどこか儚げな顔をする。
そんな顔をさせたくないのに。
「…話さなくていい…でも、彼には注意して?」
じゃないと怖くて眠れそうもない。
「彼は…僕が…殺した親友なんだ…」
「えっ?」
そんな…
何で?
何かの事故だったんだよね?
悟さんが人を殺すはずがない。
「…嘘…」
「本当だよ。彼は死んだ」
じゃあ、何で悟さんの目の前に現れるの?
「名前と会う前に、人間を鏖殺しようとする大規模テロがあったんだ」
「………」
「アイツは、それを企て実行した首謀者だった」
「…そんな事が…」
「彼を特級呪詛師として、死に処さなければいかなかったんだよ…」
それで親友を葬らなければならなかったんだね。
私は悟さんを強く抱きしめた。
そんな悲しい過去を背負った生きてたの?