第36章 団結*
side.五条悟
仕事が終わって部屋に戻ると。
名前と蓮と心が3人で手を繋いでいた。
「ただいま。何してんの?」
「ん?あっ、悟さんおかえり」
「おかえり、パパ」
「悟さんも入る?」
こてんと首を傾げる名前。
えっ?
この手を繋ぐ行為になんの意味があんの?
「ママ。パパはできないよ」
「どうだろう?パパは凄いからできちゃうかもよ?」
「ねえ?一体、何の話?」
僕、真剣に聞いてるんだけど。
「んー。百聞は一見に如かずだよ」
どういう意味?
とりあえず僕もその家族の輪に入れてよ。
寂しいじゃん。
僕は名前の隣に座ろうとすると、蓮に止められた。
「パパは僕と心の間だよ」
「えー!」
「だってパパできないもん」
我が子ながら生意気に育ったもんだ。
名前は苦笑いをしているけれど、止めないってことは。
きっと僕にはできないことなんだと思う。
蓮と心の間に入って、僕も手を繋いだ。
「手繋いだね。じゃあ行くよ?」
「うん」
「3、2、1」
名前が数え終えると、視界ががらりと変わった。