第36章 団結*
「心。ただいま」
「あうっ」
2人は私達が旅行に行っている間に。
凄く仲良くなっている。
まるでお互いのことを何でも分かっているような感じ。
私と悟さんですら、入り込めない不思議な絆で結ばれているようだった。
「蓮。ママ、お料理するから心の面倒みててくれる?」
「いいよー」
「ありがとう」
旅行に行って正解だったな。
初めて子供たちと離れたせいか。
人に任せられるようになって。
私自身が心に余裕を持てるようになった。
「ママ?」
「うん?」
「また黒い箱で悲しんでたの?」
「えっ?」
何で知ってるの?
蓮は伊地知さんと一緒にいたはずなのに。
「心が、また黒い箱のことで、ママが悲しいって」
「それ…心が言ってるの?」
「うん」
「蓮は、どうして心のことが分かるの?」
「分かんない。でも手を繋ぐと分かる」
答えになってるような。
なってないような。
私は家事の手を止めて、蓮と心に向き合った。
「それ。ママにもできる?」
「んー。たぶん。ママはできるよ」
それを聞いて驚いた。