第35章 休暇⑧
悟さんにしがみついていると、スマホが鳴った。
心のような気がする。
まるでシンクロニシティが起きているような感じ。
スマホの画面を見ると、やっぱりお義母さんからだった。
「もしもし」
『もしもし?名前さん?』
「お義母さん…心ですか?」
『ええ。急に泣き出しちゃって。蓮ちゃんが“心が怖いって言ってる”って…。私もどうしたらいいのか…』
「そうですか。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。直ぐに悟さんと迎えに行きます」
『ええ。待ってるわね』
「はい」
電話切って悟さんを見る。
あの子たちの方が不安だよね。
私が動揺してる場合じゃない。
「心がどうしたの?」
「私と同じのを見たんだと思う。心が怖がって泣いてるって」
「そっか。直ぐ立てそう?」
「うん」
私は急いで着替えて、荷物をバックに無造作に詰め込んだ。
「忘れ物はない?」
「うん」
買い物で大きくなった私のバッグ。
それを持った悟さんが部屋を見渡す。
蓮と心なら、私の視た未来を変えられるのかな?
部屋を確認して私たちはお世話になった部屋を出た。