第4章 婚約
「初めまして。苗字名前と申します。先程は大変失礼致しました」
「気にしないで。どうせ悟さんの悪戯でしょう?」
「可愛らしいお嬢さんじゃないか」
「でしょ?沖縄で拾ってきたんだ」
「悟さん。名前さんに失礼でしょ」
とてもアットホームな雰囲気。
呪術界の御三家の一つと聞いていたから、凄く格式高い家柄だと思っていた。
私の取り越し苦労だったのね。
ほっとした瞬間だった。
「それで、君はどちらのお嬢さんなんだい?血筋は?」
「えっ?」
突然、射抜く様な目を向けられる。
どう答えたら良いの?
困惑していると、悟さんが私の手を力強く握った。
「名前は呪術師じゃないよ」
「………」
沈黙が怖い。
「悟。分かっているとは思うが、我が家は___」
「まあまあ、最後まで聞いてよ」
どうなるのか、ハラハラしてしまう。