第4章 婚約
「ただいまー」
「あら。お帰りなさい。坊っちゃま」
門をくぐる。
すると早速、五条家の方に出くわしてしまった。
「そちらの方は?」
「この子?僕のハニーだよ」
「あらまぁ!それでこちらにお戻りに?」
「まあ。そんなとこ」
「私、旦那様と奥様にお伝えして参りますね」
「うん。宜しく」
うう…。
なんという醜態。
こんな誘拐地味たことをして、恥ずかしくないないのか!?
悟さんは!?
「悟さん。お帰りなさい」
「あ。母さん。ただいま」
「あら?この子が悟さんの?可愛らしい方ね」
「でしょ?沖縄で拾ってきてね」
「まあ。悟さん、女性にそんな口を利いては駄目よ。ふふふっ」
えっ?
何、この親子。
普通に会話が成立してるんですけど…。
「中へ入って、ゆっくりお話ししていけるの?」
「今日は彼女を紹介しに来たんだ。もちろんだよ」
紹介するなら下ろして欲しい。
これでは恥ずかしくて顔も見れない。