第30章 休暇6日目①
そんな冷たい目で見ないでよ。
「君が無防備に他の男にヘラヘラしてるのを見たから、腸が煮えくりかえりそうなんだよ」
そんなことで、そんなに怒るの?
「同じ立場ならどう思う?」
「…それは…」
その時になってみないと分からないよ。
悟さんこそ、いっつもヘラヘラしてるし。
「ねえ?僕の機嫌。直したい?」
「…うん…」
コクリと頷く。
せっかくの旅行なのに、こんなんじゃ悲しいもん。
「だったら今すぐヤらせてよ?」
「えっ?」
「名前をさ。この場でめちゃくちゃに犯したいんだよね」
「…そんなっ…」
こんな所で出来るわけないよ。
悟さんが怖くて涙が出そうになる。
「あ、いた。お客様」
戸惑っていると、店員さんが外まで探しに来てくれた。
「お待たせ致しました」
「ああ。はい」
「ご準備できましたので、お会計は店内でお願い致します」
「分かりました。名前。先に車乗ってて」
「…分かった…」
私は言われた通り、大人しく助手席に座る。