第30章 休暇6日目①
困ってる人を見て見ぬふりするなんて、出来なかった。
いい事したはずなのに。
どうしてこうも裏目に出るかな?
「お待たせ」
「…うん…」
「ドライアイスで溶けないようにしてもらったから」
「ありがとう」
悟さんは車を走らせるけれど、車内は沈黙で。
すごく気まずい。
悪いことはしてないはずなのに…
「悟さん、ごめんなさい」
「その話はホテルに着いてからするよ」
涙が出そうになる。
それを堪えて、窓の外の見ていた。
暫くするとホテルに着く。
車をドライバーさんに預けて、部屋に向かうけれど。
その間。
悟さんは、私の手首を凄い力で掴んでいる。
ギリッと骨が軋む程、強い力で。
部屋に着くなり、強引に口を塞ぐ。
「んんっ…」
「はぁっ…名前」
「んっ…ふぁっ…」
激しく舌を絡めとられる。
「はぁっ…君は…僕のものだろ?」
「んんっ…はぁっ…んんっ」
「僕以外…はぁっ…見るなよっ」
息も出来ない程。
苦しいキスにされて、生理的な涙が流れた。