第30章 休暇6日目①
「Please go straight on this road.」
(この道をまっすぐ進んで下さい)
ジャスチャ―を交えて道案内をした。
「So, You will arrive.」
(そうすれば着きますよ)
「アリガトウゴザイマス」
「Have fan.」
(楽しんでくださいね)
理解して頂けたようで、笑顔で彼は去っていく。
海外からここに来る人もいるんだなぁ…。
「名前。今の誰?」
「ひぃっ!」
見送っていると、背後に悟さんが立っていた。
ビックリして、変な声をあげてしまう。
「誰って。知らない人だよ」
「何で知らない人と話してんの?」
「困ってそうだったから、私が道案内したの」
「何で君が道案内すんの?」
「えっと…外国の方だし…困ってそうだったから…」
「へぇ」
うわ…
なんか不機嫌な感じ。
「もういいでしょ。行くよ」
「あ、うん」
悟さんに手を引かれて、店内に連れ戻される。
結局、スマホを取りに戻ることは出来なかった。