第30章 休暇6日目①
「悟さんは神社にも詳しいの?」
「有名どころはね。そんなメジャーじゃない小さい神社までは知らないけど」
「じゃあ此処は?来た事あった?」
「ないね」
「そっか」
箱根神社の本殿を参拝して、周囲を散策することにした。
「悟さん。リンゴパイが有名なカフェがあるよ」
「いいねー。行こうか」
「うん。あ、でも、その前に平和の鳥居見たいかも」
「いいよ」
芦ノ湖に来たのは小学生の修学旅行以来だ。
今日は車だし。
行きたい所だけ行ける。
「うわぁ!平和の鳥居のロケーション素敵だね!」
「へぇ。何かご利益ありそうだね」
「恋愛運と家族運らしいよ」
「そうなんだ。じゃあ僕らは大丈夫だね」
「うん」
こんな素敵なところに、2人でいられるの幸せだな。
悟さんの肩にコテンと頭をのせる。
「名前」
「うん?」
悟さんは私の顎をクイッと上げて、ちゅっと啄ばむようなキスをする。
私は笑って、悟さんの腕に自分の腕を巻きつけた。
この幸せを身体や心にも。
焼き付けたいよ。